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にわとりコンビがゲストを迎えて映画討論会【にわか二人がとりあえず××について語るラジオ第6弾】#前半

ちゃんこ:チョピまるさん!チョピまるさん!!ドタドタ

 

チョピまる:どうしたんですか!?ちゃんこさん!

 

ちゃんこ:今日、このラジオにゲスト様がいらっしゃるそうです!!どうしましょう!!!

 

チョピまる:え?その方ならもういらっしゃいますよ?

 

ゲスト:どうもー。ゲストのげすと氏です。よろしくお願いいたしますー。

 

ちゃんこ:キエエエエエエアアアエエエアエアエエエアアエエアエアエアエ!!!!!!!!!!!

 

チョピまる:…とまあ、ちゃんこさんがコミュ障こじらせているので、始めましょう!

今回は、ゲストのげすと氏様をお迎えして映画討論会をします。

 

げすと氏:では、どうぞ~。

 

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 チョピまるとちゃんこによるブログコラボ企画の第六弾です。

今回はなんと!ゲストをお迎えして映画について語っていきます!

 前半は、映画館とおうち映画鑑賞について。そして、それぞれが、推す映画三つを紹介していきます。

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《前回コラボはこちら↓》

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ちゃんこ(id:chanko_bamboo: はい、こんにちは!映画は好きなのしか観ないずぶの素人ですが音楽という観点から語れたらいいな、と思っています!ちゃんこです!今日はゲスト様であるげすと氏さんをお迎えしての回ということでわくわくしています!

 

チョピまる (id:caaatteey-0815): わーい、こんにちは!最近精神年齢が80歳と判定されたのでわんぱくなあいさつを定着させたいと思っているチョピまるです!映画は研究していたことがあるはずなのに、わりとにわかです…(どういうことやねん!!)💦そして、とにかく映画の楽しみ方の多様さについてお届けできればと思います。よろしくお願いします!ゲストさんには、助っ人として軽く参加していただきたいと思います、よろしくです。

 

げすと氏:はじめまして。ゲストのげすと氏です。たぶん「げすと」が名字で「氏」が名前です。敬称をつけてくださる場合は「マキシマムザ亮君君」みたいに「げすと氏氏」になります。「氏」の読み方は「うじ」かもしれません。自分でもわかりません。たぶん映画のひとです。よろしくお願いします。

 

1.映画っていいよね!

チョピまる:さて、映画っておうちでも見られますし(アマプラとかも充実してますよね!!)、もちろん映画館で鑑賞することも可能です。ちゃんこさんは、どちら派とかありますか??

 

ちゃんこ:そうですね、私は基本的にミュージカル系のものは劇場で、アニメなど趣味というか、ミュージカル以外の作品は行けたらっていう感じですね。

 ミュージカル映画はやっぱり臨場感というか、音圧を全身で感じたくて何があっても劇場で鑑賞したい、という気持ちがあります。

 それ以外に関してですが、今以上にゴリゴリにオタクだったころは作品に「お布施をする」という感覚と劇場版の限定品が欲しいという気持ちでアニメ映画を劇場で見に行っていましたが、今では「別に家でゆっくり見てもいいな」という気持ちですね(笑)

 チョピまるさんはどうですか?

 

チョピまる:私は、機会が多いのは家(またはパソコン)で、一か月に一度は映画館で見たいというハイブリット型ですね。どちらが好きとかはあまりないという…。ただ、映画館という空間でみる映画の質感は最高なので、映画館の方が理想的かもしれないです。なにせ映画館は、暗い中に大きな画面があり、音響が立体的で、他者に邪魔されることなく作品に没入できる感覚のある場所だとおもうんですよ!まさに、映像を「体験する」「体感する」ことができるのは映画館だけなのかな…と。ただ、けちなわたしからすると少し高いなあという感じがしてしまいますが…。

 げすと氏はどうでしょう??

 

げすと氏:移動の手間やお金の問題をかんがえると若干の面倒はあるかもしれないんですが、むしろそのわざわざ足を運ばなきゃならない感じ、ちょっとだけ贅沢している感もろとも楽しんでいる節はかなりありますね。それこそ小旅行気分というか。そのせいか映画館で観た映画はテレビやパソコンで観たものよりもずっと記憶に残りやすい印象があります。もちろんスクリーンの大きさなどの違いもあるでしょうけど、他のお客さんの反応がリアルタイムで伝わってくることなんかも含めて、けっこう体験として印象がちがってくる気はします。もちろん、おもしろい映画はどんな手段で観ても変わらずおもしろいですけどね

 

ちゃんこ没入感が高く、印象深いものになるのは劇場ですよね!家だとどうしてもスマホをいじったり、何か片手間になってしまいます…。だからこそ、より作品を純粋に楽しむためにも劇場の方が良かったりしますよね。

 でもやっぱり、私も節約したい方なのでチョピまるさんの仰る通り、少し高いなあと感じる気持ちはわかりますし、その分、げすと氏さんが仰る通りほかのお客さんの反応も含めての劇場、という考えもわかります!

 さて、話は変わりますが、チョピまるさんが映画を見るにあたって何かルーティーンみたいなものってあります?

 

チョピまる:ちなみに…映画館ルーティーンは本当に地味なんですよ笑。はじめにトイレに行っておくこと、スマホの電源落とすこと、乾燥対策でマスクをすること…笑。本当に地味です。家では、気が向いた時にパッと見て…という感じですし…。あっ、でも唯一母とみるときだけは、定番のポップコーンが家でも映画館でも私の隣にありますね笑。

 

ちゃんこ:やっぱりそんな感じですよね(笑)

 私も、チョピまるさんと映画館ではほぼ一緒な感じですね。あ、あとなるべく鑑賞する直前まではレビューの動画やブログを見ないようにしています!やっぱり先入観があると純粋に楽しめないし、観る気がそがれてしまうので…。(特にYouTubeのレビュー動画は批判系が多いのでサムネイルすらもあまり見たくないです…(´;ω;`))

 家ではですが、最近ではブログのために観ることもあったりするときもあるのでその時はスマホ片手にメモを取りながらですね。あとは大体休日前に観たりしているのでお酒ともにすることがしばしば…(笑)

げすと氏さんはどうお考えですか?

 

げすと氏:先入観の話でいくと、なにを観る決め手にするかというのも人によって異なってきそうです。それなりのファンであれば俳優さんや監督の名前で次はコレを観ようと決める人が多いのかなとはおもいますが、そうでなくてもツイッターなどでもちょくちょく宣伝がバズってたりしますから(最近だと『ミッドサマー』とかそうでした)口コミの力もあなどれませんね。それでいくとやっぱり、いま映画館でかかっている映画についての体験をほかのお客さんと共有できることの意義みたいなのって、けっこう大きいのではないかとおもいます。

 

 

 

2.ちゃんこが推す映画三選!

さて、ここからは我々三人が今時期推したい作品を三つずつ簡単にご紹介します!トップバッターはちゃんこです!

 

ちゃんこ:私が推す映画三選は

 ・英国王のスピーチ*1

 ・ヘアスプレー*2

 ・すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ*3

です!

 

英国王のスピーチ

【あらすじ】

 吃音に悩む英国王ジョージ6世が周囲の力を借りながら克服し、国民に愛される王になるまでを描く実話に基づく感動作。

 幼いころから、ずっと吃音に悩んできたジョージ6世コリン・ファース)。そのため内気な性格だったが、厳格な英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)はそんな息子を許さず、さまざまな式典でスピーチを命じる。ジョージの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていくが……。

英国王のスピーチ - 作品 - Yahoo!映画より引用)

 

 

 実は私の旦那が吃音でして。

 彼と出会う前に重松清さんの小説「きよしこ」や「青い鳥」で吃音の実体はわかっていましたし、理解もしているつもりでした。

 しかし、旦那と話しているうちにさらに理解を深めたいという私の知的好奇心から、その吃音の実態を更に知るために観たのがこの作品の思い出です。

 今でも治療法が明確にはなってない吃音。更に言うと、吃音が出るきっかけ(興奮してるかしてないか)も人によって違うし、発音しずらい子音だったり母音だったりが異なるので本当に難しいです。

 この映画を観ていて、私自身の経験による勝手な見解ではありますが、吃音というのは精神的な問題の他に一種の運動障害*4のようなものだと思いました。もっと話すと、話すということは舌の運動だという考えのもとで、恐らく吃音の方々はその脳の電気信号が人とは違うのかもしれないという見解です。他言語や歌だと吃らなかったりするのもそういう原因もあるのかと。だから吃音の人には精神療法の他に運動療法が必要なのかな。と思いました。

 そんな吃音の実態や苦悩をこの作品では描いています。吃音の演技がとてもリアルで観ていて「そうそうこんな感じ」という気持ちが分かりますし、何よりも妃殿下の表情とかすごく「それな!」ってなります。特に最後のスピーチは緊張感がじんじょうじゃないですね。

 ……ってこれじゃ語彙力が溶けてますねw

 とにかく、こういう人生を送っている人もいる事を知って欲しい映画です。

 

 

 

☆ヘアスプレー

【あらすじ】

 ジョン・ウォーターズの同名カルトムービーを基にした大ヒット・ミュージカルを映画化。人種差別が残る60年代のボルチモアを舞台に、外見を気にしないビッグサイズのヒロイン、トレーシーが活躍する。

 おしゃれとダンスに夢中な女子高生トレーシー(ニッキー・ブロンスキー)の夢は、人気テレビ番組「コーニー・コリンズ・ショー」のダンサーになること。ある日、番組のオーディションが開催されると知ったトレーシーは、自分と同じく大柄な母親エドナ(ジョン・トラヴォルタ)の反対を押し切り、オーディションに参加する。

解説・あらすじ - ヘアスプレー - 作品 - Yahoo!映画より引用)

 

 

 

 アマプラでみれるポップス系のミュージカルです。

 これに似た感じでおすすめしたいのが、この作品で主演を演じたザック・エフロンが主演してしている作品、ディズニーの「ハイスクールミュージカル」シリーズ

 こういうポップス系のミュージカルはとにかく音楽が楽しいところなんですよね。あとコマ割りや演者の動き一つ一つにリズムがあるところ

観て聞いて体で刻んで、映画ひとつで音楽を贅沢に楽しめるのがこういう映画の良いところですね。

 何度観ても、いつ観ても色褪せない楽しさ、音楽は何年経っても変わらずに楽しめるものだと言うことを再確認させられます。

 60年代の人種差別・体型差別というテーマに対して物凄く切り込んでいて、どぎつい表現があるのですが、明るい曲調と笑いを交えて楽しく歴史を学べるのがこの作品のいい所でもあるんですよね。

 見た目なんて気にしない、音楽とダンスがあればハッピーさ!という考えはちゃんこ的にはめっちゃすきなんですよねぇ……!!

 

☆すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

【あらすじ】

 たれぱんだ、アフロ犬、リラックマなどのキャラクターで知られるサンエックスによるすみっコぐらしの劇場版アニメ。寒がりで人見知りのしろくまをはじめ、ぺんぎん?、とんかつたちが、絵本の世界に迷い込む。

「喫茶すみっコ」にやってきたすみっコたちが、地下室で発見したとびだす絵本を見ていると、仕掛けが動き始めて絵本の中に吸い込まれてしまう。絵本の世界ですみっコたちは、自分が誰かわからないひよこ? と出会い、ひよこ? の家を捜すことにする。

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ - 作品 - Yahoo!映画より引用)

 

 

 一応オタクやってるのでアニメも取り入れますw

 キティちゃんでお馴染みのサンエックスの人気キャラクター「すみっコぐらし」

 かなり有名なのでご存知の方がほとんどだと思います。ちなみにちゃんこは「トンカツ」が好きですw

 さて、そんな可愛いすみっコぐらしがアニメ映画に!ネットでは「良い意味でタイトル詐欺」とかなり話題になっていましたね。私もずっと気になってたのでこれを機に観てみました。

 可愛いだけじゃない!約1時間の中に詰まってるストーリーの濃さは計り知れないですね。そこで伏線回収を入れる!?というストーリーの展開はしてやられたと言わんばかりですw

 お馴染みの童話の世界を舞台にストーリー展開するのですが、それが子供にも分かりやすく、大人にとっても入りやすい世界観になっています。

 そんな世界観での

「自分とはなにか問う」

「仲間がいることの心強さ」

という問題提起はこの位の子供にはピッタリな内容で、ちょうど自我が芽生えた「イヤイヤ期」あたりの子供や親にうってつけのストーリーでしたね。

 子供はもちろん、大人にもゆったりした気持ちで観ていただきたい作品です。

 

 

 

3.チョピまるが推す映画三選!

チョピまる:ちゃんこさん、お疲れさまでした!それでは二番手でわたくしチョピまるが紹介させていただきます。私が推す映画三選は…

 ・「ファニーゲーム*5

 ・「万引き家族*6

 ・「リメンバーミー」*7

の三つです。

 

ファニーゲーム

 【作品概要】

 1997年、オーストリア映画パルムドールを二回も獲得したことのある奇才、ミヒャエル・ハネケ監督の作品。本作は、その暴力性から賛否両論を巻き起こした問題作としてもしられる。

 

 【あらすじ】

 ある夏にバカンスで別荘についた一家。隣家には、隣人一家のほかに見知らぬ白い服装の男が二人いた。この男二人が、一家を訪れ「隣の家に卵がなくなったので譲ってほしい」とやってくる。横柄な態度の二人に憤る一家だが、それが悪夢のはじまりであった。

 

 

 …というわけで、はい。治安の悪い映画をいきなりぶち込んでみました。アマゾンプライムではみられませんが、ツタヤにあることは多いのでアクセスはそんなに悪くない映画だとおもっています。本作が、カンヌに出品された際、その内容に憤った批評家たちが途中で退席する騒ぎまで起こった映画でもあります。

 そう、この映画のポイントは「怒り」です。個人的にもこれほど「怒り」という感情を湧き起こさせられた映画はありません(初見の時は家の机けりました笑)。しかし、よく見ると映像的にはそこまでグロテスクではなく、編集やそのほか(メタ的なものを代表とする)演出で、うまく「暴力」を表出させている映画だと思います。そして、その暴力性が観客の「怒り」を煽動しているのだと気づかされます。暴力映画の在り方、観客の感情をコントロールする装置としての映画を考える上で非常に興味深い映画です

 ただ、間違いなく胸糞悪い映画ではあるので、そのような映画が苦手な方はご注意ください。

 

 

万引き家族

【作品概要】

 2018年、日本映画。是枝裕和監督作品。邦画として21年ぶりにカンヌ映画祭の最高賞(パルムドール)を獲得し、当時テレビなどでも話題になった。

 

【あらすじ】

 治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は万引きを終えた帰り道で、寒さに震えるじゅり(佐々木みゆ)を見掛け家に連れて帰る。見ず知らずの子供と帰ってきた夫に困惑する信代(安藤サクラ)は、傷だらけの彼女を見て世話をすることにする。信代の妹の亜紀(松岡茉優)を含めた一家は、初枝(樹木希林)の年金を頼りに生活していたが……。

https://movies.yahoo.co.jp/movie/363357/story/より引用)

 

 

 二つ目は、近年ものすごく話題になった邦画から、『万引き家族』を選びました。現在(2020年5月)では、アマゾンプライムで視聴可能な作品となっています。

 この作品のよさは、「静謐さ」のなかにある「謎」と「悪意」です。虐待されていた子供を見逃せなかった父(リリーフランキー)の「善意」からスタートし、貧しいながらも「幸福」にみえる「一家」が、実はどんな「謎」をもっているのかが「静謐さ」(作品自体、激情的な演出が少ない)の中から徐々に明らかになっていきます。少しずつ見えてくる一家ひとりひとりの「ほの暗さ」はラストに向かって、サスペンスへと昇華していきます。とにかく、映像的テンポと説話効率が非常にバランスの良い作品であり、最後には「家族」や「善意/悪意」について思考を喚起するような、「余韻」も心地の良い作品です。

 現代には、様々な媒体があるなかで、「映画」で描いた意味がきっと分かっていただけるのではないかと思います。こういう映画をみれたとき、映画館に行ってよかったと思わせてくれた作品でもあります(たまたま当時映画館で見た作品でした)!

 

 

 

☆リメンバーミー

【概要】

 ディズニー、ピクサー制作。アメリカでは2017年、日本では2018年公開。原題は“Coco”。メキシコの「死者の日」が主な舞台になっている。

 

【あらすじ】

 過去の出来事が原因で、家族ともども音楽を禁止されている少年ミゲル。ある日、先祖が家族に会いにくるという死者の日に開催される音楽コンテストに出ることを決める。伝説的ミュージシャンであるデラクルスの霊廟に飾られたギターを手にして出場するが、それを弾いた瞬間にミゲルは死者の国に迷い込んでしまう。元の世界に戻れずに困っていると、ヘクターという謎めいたガイコツが現れ……。

https://movies.yahoo.co.jp/movie/360948/story/より引用)

 

 

 近年、大人になってからしばらく離れていたディズニー映画を一気見していたところ、一番満足度が高かった映画が、『リメンバーミー』でした。

 多くのシーンが死者の国にいる死者たちと主人公の交流となるため、骸骨だらけの画面なのですが、そこはさすがディズニーといったところでしょうか、柔らかく表情もあり、まったく怖くありません(むしろかわいらしく見えます)。メキシコの街並みの再現もさながら、死者の国のビビットな色使い、書き込み(?)の多さは映像美として圧巻です。主人公の曾祖母の描写などは、アニメでも現実でもなく直接心に訴えかけてくるような作品です。

 また、それだけではなく、“死者の国にも階層がある”、“生きている人に忘れられたら二度目の死を迎える”など、都合の良さだけでなくダークな面もあり、それが後半に向かって「逆転」と「感動」を積み上げていきます。

 また、映画への愛を感じたのは、地元の英雄的存在のデラクルスが登場するシーンで後ろに流れていた生前の自身の映画。めちゃくちゃ細かいことですが、その白黒映画は、まるでプレスリーの主演映画のような画面でテンション上がりました笑。

 

 

4.げすと氏が推す映画三選!

ちゃんこ:最後は、げすと氏さんです!よろしくお願いいたします!

 

グレイテスト・ショーマン

 【あらすじ】

 ニューヨークで妻娘と暮らしていた夢想家のバーナム(ヒュー・ジャックマン)は、務めていた貿易会社の倒産と解雇を機に、世界中のあらゆる奇妙なものを展示した「バーナム博物館」をオープンした。かんばしくない客足に当惑するバーナムは、さらに娘の一言がきっかけで、ショービジネスの世界へと足を踏み入れる。最高のショーを実現させるべくバーナムは、フリークスたちを集め、サーカスを発足する……。

 

 

 日本でも大ヒットしたミュージカル映画。主題歌「This is me」はいまでもCMなんかでよく耳にしますし、いまさらとくべつな紹介も必要ない気はするんですが、この作品の本当にすごいところは、いっけん単純そうにもみえる成功物語とひたすら楽しいショーを観客に楽しんでもらうために練られた、ものすごく緻密な演出。ショーを成功させたいバーナムと、彼がサーカスの団員としてスカウトするフリークスたちのあいだには最初、決定的な格差があるわけですが、たがいがたがいの違いをみとめながら徐々にひとつのショーを作りあげていくさまが、しっかり映像と音楽の力で語られている(たとえば序盤は小人を「見下ろし」手を差し伸べたバーナムが、終盤では当の小人から「見下ろされ」手を差し伸べ返されるように)。古きよきアメリカ映画のいいとこどりみたいな映画。ちなみに、本作にプロデューサーとして参加したジェームズ・マンゴールドの至近作『フォードvsフェラーリ』もザ・アメリカ映画という感じの大傑作だったので、ついでにこちらも一押ししておきます。

 

 

 

☆フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

【あらすじ】

 家を失った6歳の少女ムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)と母親ヘイリー(ブリア・ヴィネイト)は、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの近くにあるモーテル「マジック・キャッスル」で生活している。周囲の大人たちが日々の暮らしに苦しむ一方、ムーニーは子供たちと無邪気に遊び、管理人のボビー(ウィレム・デフォー)は彼らを見守っていた。ところがある出来事を機に、ムーニーの日常は一変し……。

https://movies.yahoo.co.jp/movie/362655/より引用)

 

 全編iPhoneで撮られた『タンジェリン』という作品でも評判を呼んだショーン・ベイカー監督の作品で、日本では『万引き家族』と同じ2018年の公開ですが、ちょうど両作の「貧困と家族」というテーマのシンクロが一部で話題になってたりもしました。ただしこちらはもっと色づかいがポップでビビッドで(ロケーションがフロリダ州のディズニー・ワールド周辺なんですが、それでいくとまさにディズニー作品のよう)、子供の目からみた世界のワンダーがもうひとつのテーマだったりします。なので現在的でシリアスな社会問題を取りあげつつも、あんまり暗鬱さはなく、むしろ子供たちのささやかな冒険や個性的なファミリードラマの印象がつよい。「マジカル・エンド」と本国では呼ばれたラストシーンがとにかく圧巻で、こればかりはもう観て確認してもらうしかないんですが、新世代の作家はこうして新しさを映画に取り入れようとしているんだなあという発見もできて、そういう意味でもおもしろい作品です。

 

 

 

☆Please say something(おねがい なにかいって)

(本編)

 

 youtubeでも観られるアニメーション作品を一本紹介します。デヴィッド・オライリーというアイルランド出身のアニメーション作家(ゲームファンにとっては、山を育てる『Mountain』、文字通り万物になれる『EVERYTHING』などのわけわかんないゲーム作品のほうでむしろ有名かも)がつくった短篇で、トムとジェリー』みたいなネズミとネコのキャラクターが主人公の、ちょっとおかしな恋愛物語。CGはなんかガピガピしているし、街もキャラクターもいかにも記号っぽいんだけれど、そのことをむしろ都合よく利用して当のキャラクターたち自身が世界のなかでふるまい、やがては生き生きしてみえてくるのがオライリー作品のおもしろいところ。映画らしい映画ではないかもしれないですが、ふだんあまり馴染みのない短篇アニメーションという世界も意外と奥深いんです、という話と、ストリーミングやネット経由でもこういった気鋭のクリエイターたちの作品に触れられるんです、という話でひとつ、紹介しておきます。

 

 

 【後編…「はじまりのうた」討論会、そしてあなたにとって映画とは??についてにつづく!】

 

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*4:簡単に言うと人より上手く走れなかったりとか文字を書くのが苦手だったりなどがあります

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