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院生による本格分析(をめざす)ブログ。ねこちゃんにも寅くんにもなれるような柔軟な姿勢。

【感想メモ】東海オンエア『情報量の多すぎる動画』という挑戦

 過ぎたる及ばざるが如し

 

 2019年3月29日公開の東海オンエア『情報量の多すぎる動画』はまさにそんな思想すら見えかくれしそうな「作品」だ。

 

  思えば、ネットの世界は「過剰」な世界なのか。TwitterYouTubeもLINEも同時的に「過剰」に供給されることがある。 この一本さえみれば、ネット体験は可能だ。現代の若者の視界が広がっている。いわば、若者の「あるある」ネタとまでいえるだろう。

 

  東海オンエアの動画がどんなにおもしろくとも、みる方は大いに注意散漫になることが「あるある」だ。それは、作り手の問題ではない。YouTubeを見慣れてる人ならば経験したことがあるだろう。画面上部にはLINEの通知が届き(しかも連投されたりする)、動画のコメント欄へのスクロールもしてしまう。なんなら、電話が来たり、別の動画の通知が…なんてことがざらにある。何回も観れるからと思うのか、集中してだまって最後までというタイミングは少なくならざるを得ない。

 

  そのようなネット(あるいはスマホ)のもっている焦燥の時間を不可避的に感じさせるのがこの作品だ。言い換えれば、あらゆる情報が溢れ、でもそれをちゃんと感知しようとして結局すべて中途半端な情報として処理せざるを得ない我々の狂騒がメタ的に笑われている。ん?われわれが笑われているのか。笑っているのか。

 

  ともかく、ネットをとりいれようとするテレビ的編集も、ニコニコ動画というひとつのコンテンツも、ネット史を踏襲するように「過剰」に供給され、でもなんとかくみれてしまうバランス感覚にすぐれている。尺は過剰ではないから。エンタメにとどまり、思考の領域まで昇華されるような「作品」だ。その分、編集作業の大変さは想像にあまりある。

 

※この記事には続編が…!!!

 

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